VGNの無線ゲーミングマウス「Dragonfly F1 series」は左右対称の小型マウスで有線/無線両対応(無線推奨)、ポーリングレートは1kHzまで、別売4kドングルと合わせて4kHzまで対応します。
Dragonfly F1 seriesは細かな違いで4製品ラインナップしています。
- F1・・・制御chipの異なる廉価版
- F1 Pro・・・制御chipのグレードが下がり、バッテリーが小さめで軽量
- F1 Pro Max・・・シリーズ中で高性能でバッテリーが大きく重め
- F1 MOBA・・・F1 Pro Maxのマイクロスイッチ違い(kailh golden black mamba→huano ice berry pinkdot)
今回「F1 MOBA」モデルを購入しましたので紹介します。
VGNはマウス、マウスパッド、キーボードを販売しており、トレンドを抑えつつ安価に製品を提供する中華ゲーミングデバイスブランドに思います。
国内でも家電量販店などで取り扱われており入手性は高いですが中華ブランドですので販売継続性は何とも言えません。
安価に購入もしくは国内販売されていない製品を入手するためにはAliespressやmechkeys等個人輸入する必要があります。今回はAliexpressで購入しました。F1 MOBA + 4kドングルで1万円ぐらいでした。
ちょっと触っただけで長期間使用していませんが簡単に紹介します。
小型の左右対称ながら背のピークが早く盛り上がっておりしっかり手のひらにあたるかまぼこ型のためそこまで小ささは感じません。また特徴としてMBのフィンガーチップガイドが非常に深く掘られており、ゆびさきのホールド感安定感は唯一無二です。そういった特徴から浅いグリップには向かず選ぶ理由が見出せません。癖がありながらも通常-深めのつまみ・つかみ/浅めのかぶせ持ちに適しています汎用性を持った形状です。
ゲームでの使用を想定したときに付属のドングルや有線接続では入力遅延がひどく、4kドングルを使用した接続は必須であるため検討している人は合わせて購入しましょう。
1万円で購入できる今時の中華無線マウスでしっかり個性もある形状で、粗い部分もありますが致命的な欠陥は有していません。普通におすすめです。
マウス集めをしていないゲーマーの方にも知らないメーカーだろうけどおすすめできるよという感じ。
スペック
メーカーサイト | VGN |
製品ページ | Dragonfly F1 MOBA |
4kワイヤレスドングル | |
センサー | PAW3395 |
MCU | nrf52840 |
ポーリングレート | 125/250/500/1000 (/2000/4000*4kドングル) |
DPI | 200-26000(50step) |
重量 | 55 g |
長さ | 121.5 mm |
幅 | 63.5 mm |
高さ | 37.7 mm(ソール含) |
純正ソール | 0.6 mm |
接続端子 | Type-C |
ソフトウェア | VGN-HUB |
付属品
延長/充電ケーブルとアダプタ、ドングル。アダプタは金属シェルでなんか重みがあります。マウス本体にドングルポケットがあり使用しないときは収納しておけます。
合わせて購入した4kドングル。TypeC接続でこれを使用すれば本体に付属してきたレシーバーは不要となり一度も使用する必要はありません。4kドングルのランプでバッテリー状態が分かるらしい便利。
グリップテープと交換用のソールが付いてきます。ソールは最初から貼られているものが上下2枚の大きめのサイズであるのに対し4点に貼る中型のソールで好みに合わせて張り替えることもできます。
ソフトウェア
VGN-HUB通称V-HUB
インストールするとソフトウェアを更新しろと言われますがする必要はありません。
特に使い方に難はなくマウスを接続し選択、各種設定や4kドングルとのペアリングを行うことができます。
デフォルトで言語が中国語なので左上のメニューの設定から日本語に変更しましょう。
4kドングルへの接続は、まず有線or付属のドングルのみをPCに接続し、ソフトウェアで選択→メニューのその他から4kドングルとのペアリングを選択→指示に従い、有線or付属ドングルを抜き4kドングルを接続する→マウスのスイッチをオンにしマインボタンとホイールクリックを押し込む
最初どうやるのか分からんかった。
- DPI・・・200-26k(50step, 8stage)
- PollingRate・・・125/250/500/1000(4kドングル使用で2000, 4000が開放)
- Movement Synchronization・・・モーションシンク?デフォルトオンなのでオフにしとく
- 補正設定・・・通常必要ないのでオフにしとく
- パフォーマンス設定・・・私の環境では高パフォーマンスにしても大差なかったのでオフにしとく。脳死でオンでなくて各自使い比べて良いほうを選ぶといいと思う。
- LOD・・・安定する範囲で短くするこれオフにしたら何になるんだろう?
- SLEEP・・・体感復帰のラグ感じないから短くてもいいかもしれない
- デバウンス・・・安定する範囲で短くする
4kドングル使用しないと有線も無線も入力遅延がひどいため、まともに使いたかったら4kドングルは必須です。
中華マウスあるあるで4kドングルを使用することが重要なのであって(詳しいことは知らんけど)、4kドングルを接続したうえで1kHzに設定するのもありです。各自PCのスペックに合わせて下げたり上げたりしてください。私は4kドングル1kHzで使用しています。
スリープからの復帰が優秀なのは素晴らしいと思います。体感ラグを感じない。
外観
上下
全長121.5mmの小型マウスです。
全体的にすらっとしたシルエットで、マウスのセンターがきゅっとくびれていて親指と(曲げる場合は)小指のフィット感が良いです。くびれのピークはややフロント寄りです。
センターからフロントにかけて逆ハの字に広がっていきます。広がっていくのですがボトムもトップも同じよな広がり方をしているため、サイドの逆テーパー具合はセンターからフロントにかけて一定となっています。
そのためグリップの深さが通常-深めの間で手で持った感触は変化しにく一定に近いです。そのため、つまみ・つかみだけでなくかぶせ持ちもしやすいと言えるでしょう。
尻幅はピークの位置が高く、センター側に寄っておりまたゆるやかに滑らかに接続されています。そのため尻のピークを握るような形となり浅いグリップでは持ちづらくなりそうです。
尻が高いことから指の付け根周辺への圧迫は抑えられ、指を伸ばし気味なグリップでも持ちやすそうです。
やや尻高ですがひょうたん型の形状です。
左右
純正ソール含
全長からすると高めの背丈をしています。
背にコブはなく膨らまずにピークを迎えています。比率的に上寄りのシルエットでかまぼこ型です。
コブこそありませんがピークが早く手のひらへの圧迫こそないですがしっかり当たってくれます。
見るからにMBに施されたガイドが深く、指先をホールドしてくれます。またホイールに向かっての傾斜も大きく、ホイールへの指移動がしづらく感じる人もいるかもしれません。F1形状の一番の特徴に思います。
サイドボタンはややフロント寄りに配置されており浅いグリップでは押しにくそうですが浅いグリップを想定していない形状のためちょうどよい位置に思います。
サイドボタンは大きく飛び出しており押しやすいです。
前後
フロントサイドから見ると再度の逆テーパーが緩いことが分かります。MBのガイドも取って見え、深く持つほどクリック高さが低くなっていきます。
バックサイドから見ると高さがわりとありつつもスカートは緩やかに落ちていきます。トップの形状は丸みが弱く、角は取れていますが台形となっていててのひらへのあっぱくやホールド感が弱めであることが分かります。
写真
内観
よくある感じの構造です。サイドボタンの基板がトップシェルに分離されています
基板はコンパクトでバッテリーが大きいです。F1 Pro Max/MOBAはこの4.2V 500mAhのバッテリーです。他モデルはもっと小さそう。
メインのマイクロスイッチはkailh ice berry pink dotというもの。なんか最近種類増えてるよね。
ホイールエンコーダはTTC白の11mm。回し感はもろTTC白という感じで柔らかくもノッチが大きく私はちょっと苦手です。たてつけはよくホイールのブレはないのですが擦れ感があるためグリスを追加したほうがいいかもしれません。
ホイールクリックはタクトスイッチのためリニアな押し感はありません。
サイドボタンは接着されています。
メインボタンサイドボタンともにシェルとの間にスポンジが貼り付けられておりカチャツキが防止されており若干スイッチに押し付けられています。
クリック感はやや固めながら歯切れよく普通によいです。マイクロスイッチの特性がそのままという感じですが。
というのもシェルの厚みが0.95mmと非常に薄いです。実用上剛性に問題はありませんが握った時の剛性感に欠けます。またもともとの撓みやすさあからか持ってみるとキイキイ音が鳴り、かみ合いも悪そうです。
MBも然りでラトリングがかなりひどいです。普通に押す範疇でも左右にグニグニしますし、左右端を推せば大きく傾きます。MBのガイドが強く指は中央に固定されますしほぼマイクロスイッチを押しているだけのクリック感も悪くないので、全体としてそこまで酷いわけではないですがなかなかにぶれて面白いです。
最近のマウスはトップシェルにスリットを設け、MBからスリットに固定棒を差し込むむのも多いのでそれらも実際は同じようなものかもしれませんが。
実際使う上で問題にはならない妥協点に思います。
所感
重量は55gでそこまで重くはなさそうですが持ってみると結構ずっしりしています。バッテリーが占めているためバランスが悪いのだと思います。長時間使用可能なのは素晴らしいですがかなり使用感を損ねている気もします。
純正ソールは縁に対して中央部が明らかにへっこんでおり、事実上のドーナツソールと化しています。
安価な価格帯ですが表面はコーティングが施されておりマットでしっとりとした質感です。コーティングの質感は強くないですが適度にすべすべしていてちょうどいいと思います。
造りの粗さは各所に感じますが、致命的に不快な部分はなく、安いし無線で性能もトレンド中華4k無線マウス同等で、全然アリなんじゃないかと思います。
独自の形状づくりで思想が見えてよいと思います。通常-深めのグリップに特化したMBガイドが強い形状です。サイドやトップの形状からつまみ・つかみ/浅めのかぶせのどれにも対応でき、癖がありながらも汎用的で非マウスオタクの方にもお勧めできます。
おわり
購入した自作マウスキットの基板として移植されました。
割と好感触だったので買いなおしたり同ブランドのマウス近いうちに買うかもしれない。
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