FPSにおいてマウスのDPIをどう選択するのかというのは、実際に試して感触よかったりパフォーマンスが出たものを使用するのがベストだと思います。
じゃあなんでもいいのかというとそうではなく、選ぶべきでないDPI値が確かにある。
DPI小さくしたらカーソルがガクガクになりますし、大きくしたら遅延が発生します。
というのが通説というか体感でもそうですしよく知られています。
という前置きの後に、個人的にDPIの違いが分かりやすいなと思ったDPIの選び方を紹介します。
前置き
低すぎるとガクガクする
極端な例ですがDPIを50に設定するとマウスカーソルが動き出すまでに必要なマウス移動距離は、インチをDPIで割って25.4/50=0.5mm程度。
雑に言えば0.5 mm刻みの方眼用紙の上でマウスを動かすようなもので、0.5mm角を最小単位にしていたらそれはカクつくというのは想像に難くないです。
それだけでなく、低いDPIではよりゲーム内感度を高く設定する必要がありますから、そこでさらに倍率を掛け引き延ばされることでよりカクつきます。
ゲームプレイに影響はそこまでないと思いますが、ゆっくり動かせば400 DPIはマウスカーソルに少しだけカクつきが見えることは簡単に確認ができます。
50 DPIで動かすとガタガタとカーソルが動くのがわかると思います。
これは一方で低dpiは直線補正がかかって操作しやすいといわれる話に関わっています。高dpiは手振れがという人がいますがどれだけ高周波で振動してるんだあなたの手はという話で、というよりは低dpiに直線補正があると言うほうが正しいです。
しかし高FPSでポーリングレート125Hzでプレイする人も世の中にはいますからそこまでダメだということでもなく、気になるならカクつかない程度の設定を行えばよいと思います。
低dpiはピクセルスキップがという話もありますが、実際に検証してみるとピクセルスキップが起きるのは超ハイセンシという特殊な場合でしかないです。
しかもdpi由来というよりはゲーム内感度が高くなりすぎる引き延ばし効果によるため、理論上は問題でも実際は考慮する必要がないことが分かります。
高すぎると遅延する
スムージングについては以下のredditを見てください。DPIが高いとスムージングがかかるようになっておりその分latencyが発生するみたい。
3370はスムージングがないみたいです。
ほんとかよと思う人もいると思うので適当に確認してみます。3389のburst proと3370のkone proで比べてみます。
1900dpiでbp(緑)がkp(青)に比べ明らかに遅れています。
1850dpiでは差はなさそうです。redditと同じ結果を得られました。詳しい人が書いているのだろうからそりゃそうなんだけども。
というわけで3366や3370は例外のようですが、基本的にdpiは高くても1800~2000あたりがよさそうですね。
DPIの分解能を感じる
結局のところDPIは400-1600あたりがいいらしい。3370なら高くてもいいらしい。
じゃあ400と1600どっちがいいのか800がいいのかって話です。
dpiの違いはその定義通り分解能でしかありませんが、実際にその違いを体感することができれば好みなdpiを選択することができます。
わかりやすくDPIの違いを体感できるのはこれがいいんじゃないかなと思いました。
マウス加速ツールrawaccelを入れます。ダウンロードしてインストーラダブルクリックして再起動するだけです。
このように設定するとvelocity、マウスを動かす量にかかわらずカーソル移動速度が一定になります。パッドのジョイスティックとか、マウスカーソルをキーボードで動かすような感じ。
DPI切り替えながらマウス振ってるとなんとなく違う。動き出しとか止まりとかぬる感とか。
DPIが高い方が繊細で動き出す最小値が小さく追従性がよりリアルなことがわかります。DPIが小さい方が大雑把で閾値が大きいことがわかります。
数十マイクロメートルの単位ですが案外体感できるのがわかると思います。
19kに設定するとすごいカーソルが動きやすいです。1 umですものね19kは。
低DPIは高DPIと比べて遅延する?
先述したスムージングとは別の話。よく1600dpiは400dpiより遅延が少ないといわれています。
どちらが手の動きに対して遅延が少ないですか?と聞かれたら1600dpiだと私は考えます。
しかしその遅延というのは有線と無線マウス、デバウンス有りと無し、のような絶対的なXX秒の遅延差がある、といった状況とは異なっています。
挙動を比較してみる
例としてマウステスターで高DPIと低DPIとでマウスをスッと動かしてからスッと止めてみます。
青が400dpiで緑が1600dpiです。マウスを動かし始めて止まるまでのデータです。左端(マウスの動き始め)と右端の(マウスの止まる部分)とを見てみると、
緑動く→青動く→青止まる→緑止まるとなっていることが分かります。
つまり低dpiは初動の送信されるのがやや遅れるが、高dpiは手でマウスを完全に止めるまで検知し続けるというのが分かります。
youtubeなどで海外の400dpiは入力遅延がという検証ありますが、これは入力遅延ではなくdpiによる特性です。(スムージング有りと無しのような)絶対量の入力遅延があるのであれば、止まるのも400dpiが遅いはずです。
この例では1600dpiより400dpiが早く止まっています。これはよくいう遅延というより単に分解能の違いによる性質です。
ああいうのを何も考えず鵜吞みにするのは良くないですよ自分の頭で考えてください。dpiがドット・パー・インチであるということでしかないのですから。
高dpiと低dpi
高DPIのほうがよりアナログな手の動きに近しい正確さを持ちまた反応が早いですが、固定でXX秒遅れるというわけでもなく、絶対量として入力遅延があると考えることには違和感があります。一般的に遅延というとこちらを指すように思い、「高dpiは遅延が少ない」と端的に言ってしまうと誤解を生む恐れがあります。
実際DPIが高いほうが遅延ばらつきが小さく高DPIの方が画面のぬるぬる感が強いですしそういった点において1600DPIが強いと感じます。
では低DPIにはメリットはないのでしょうか。高DPIの方が反応が早いですし性能面においてメリットはないように思えます。
遅延があるといわれる所以ではありますが、1600dpiカーソル移動量4countsのとき、400dpiは1countsしか移動しません。
つまり1600dpiが1counts移動したときに400dpiは0.25countsで1に満たず、pcにデータは送信されません。
イメージとして低dpiは移動量をため込み一定値を超えると通信します。1600と400であればその閾値が4倍大きいわけです。よって低dpiはその意味でもぬるぬる感が弱くシンプルな動きをします。ゲームでなくpc作業だと微細な動きを拾われないため低dpiのほうが快適です。
先ほど画像で示したように、低DPIでは1フレーム分停止が早いという話をしました。このことからマウスを早く振った後に1フレーム早く画面を認識することができるというのはメリットといえるのではないでしょうか。エイム論にはフリックはトラッキングの連続であるという主張もありますが、実際人の目は視線をフリックした際その間の映像を認識しません(サッケード抑制)。
、、、こじつけな気もします。まあ1600DPIが無難でトレーニングにもよいのではないでしょうか。
私は経験上インゲームは400dpi(低)が、エイムゲームは1600dpi(高)が好みでありパフォーマンスも発揮できます。人にもよるのでしょうけど。
おわり
特にこだわりがなければ1600dpiが良いのではないでしょうか。実際操作感が異なるので低DPIのほうが強い・好みということもあると思いますし、こだわりを持つことは良いことだと思います。
他にも謎に言われるハイセンシは高dpiでローセンシは低dpiがいいとか試してみましたがよくわかりませんでした言葉遊びな気がします。
結局dpiの違いはdpiがドットパーインチであることでしかないのですよね。簡単に考えましょう。
快適なマウスライフを
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